投資に興味がある人も、全く興味がない人も、NISAという言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか。
イギリスのISAというシステムをお手本に、日本のNを頭につけた造語です。
日本では、個人の資産を銀行に預けて銀行がそれを運用して利息をもらうというのが、従来の多くの日本人の資産管理の形でした。それを、個人で責任を持って自分の資産を運用するという新しい価値観に変えていこうという目的で数年前に作られたシステムがNISAです。
NISAのメリットを一言でいうと、投資で得た利益を、一定期間、一定金額まで非課税にするというものです。
通常、株式の運用益や配当金、投資信託で得た利益には課税されます。その税率はおおよそ20%で、例えば100万円を投資して10万円の利益が確定したとすると、そのうちの20%つまり2万円程度の税金がかかります。それが非課税となるので、NISAのメリットは投資をする人にとってかなり大きなメリットがあります。
NISAと同様に、運用益等が非課税となるシステムに、積立NISAがあります。
どちらも、利益に対する税金が非課税になるという部分は同じですが、制度上異なる点がいくつかあります。そのその違いとメリット・デメリットを考察し、どちらを選ぶべきなのか考えてみます。
まず1つ目の大きな違いは、投資方法です。
NISAは一括または積み立てによる買い付けなのに対して、積立NISAはその名前の通り積立のみの買い付けです。
積み立ての頻度は金融機関によって異なり、毎日積み立てるものもあれば、毎月、年2回などの方法があります。
NISAのメリットは、時期を見て一括で購入して読みが当たれば大きな利益を得やすいこと、デメリットは初心者ではリスクが大きいということです。積立NISAのメリットは積み立てで小分けに投資することでリスクが軽減されること、デメリットは大きな利益は得にくいことです。
次に大きな違いは、対象となる期間です。
NISAは10年間、積立NISAは20年間です。長く積み立てられる積立NISAの方がメリットは大きいと言えます。
ただし、これと併せて比較したいのが、投資の上限額です。NISAは年間120万円まで、積立NISAは40万円までなので、積極的に投資を進めるなら、NISAのほうがメリットは大きいです。
また、対象商品も多少異なり、NISAは上場している全ての株式や投資信託が対象なのに対して、積立NISAは金融庁が選び定めた、安定感の強い投資信託やETFなどの商品だけになります。
こうやって比べてみると、積立NISAは初心者向け、NISAは経験者向けという傾向が見えてきます。資産を増やすという投資の目的を考えると、初心者が金額は少ないけれどリスクも少なく長期的により安定した投資ができるのが積立NISA、自分で勉強して積極的に投資し、利益を得ようとするのがNISAだと言えます。